全国コミュニティシネマ会議2007
2007年8月31日[金]、9月1日[土]の2日間にわたり、東京国立近代美術館フィルムセンターにて「全国コミュニティシネマ会議2007」が開催されました。今回はご縁あって、私たちの企画しているエキスペリエンツ・プロデューサーに賛同されている方(フィルム・コミッション関係者)のご紹介で出席させて頂きました。
全国コミュニティシネマ会議(主催:コミュニティシネマ支援センター、 財団法人国際文化交流推進協会、東京国立近代美術館フィルムセンター/支援:文化庁)は、様々な場で“映画
を見せること”を行っている人々の情報交換と研究討議の場として、1996年から毎年開催されています。主に映画祭関係者、公共ホール・美術館・図書館の映像担当者、自治体の文化事業担当者、シネクラブの主催者、ミニシアターを中心とした興行関係者、自主
上映団体、独立系配給会社等々が集まります。
日本の映画ビジネスの中で大手配給作品やシネコンに注目が集まりながらも地域格差などの問題も懸念されるなか、改めてコミュニティシネマが注目されている事もあり、過去最高となる約300人の参加者が集まりました。そんな熱い熱気の中で、このプロジェクトの実現に向けて具体的な提案発表されました。
「コミュニティシネマ」とは、映画祭や自主上映団体、美術館やフィルムライブラリー、公共ホール、自治体、学校、地域の映画館(ミニシアター)など、地域の映画・映像文化を担う組織が
中心となって構成される非営利団体で、地域における豊かな映画環境を創造することを目指し、地域に根ざした上映活動や上映に関わる事業を継続的に行うものです(コミュニティシネマ支援センター公式サイトより抜粋)。
今回発表されたのは「アートシネマ・シンジケート(仮称)」と「シネマテーク・プロジェクト」という具体的なプロジェクトです。このうち特に注目なのは「アートシネマ・シンジケート(仮称)」でした。
近年の日本映画ビジネスで最も注目されているのがシネコンのシェア拡大です。2006年の段階で、日本全国映画館のスクリーン数は約3,062。そのうちシネコンのスクリーン数は2,230 と発表されています。このシェア拡大は約21年ぶりです。つまり国内の映画スクリーンの約半分以上がシネコンが持っている事になります。しかし、現状は平日の昼間などは空席も目立ち、ブロックブッキングの崩壊といわれながらも大手注目作品だけしか上映していないのも実情です。地方によってはすでにシネコンの閉鎖、撤退も表れて来ています。
そんな中でスクリーン数の少ない地方の単館系映画館やアート系作品を大切に上映し、長年地域と密着しながら日本の映画ビジネスを支えている人々が多数いるのも事実です。大手配給の過剰なメディア戦略とは違い、口コミや作品自体のよさで集客しています。そんな熱き映画人が手を組み、全国でネットワーク化させようという新しい試みが「アートシネマ・シンジケート(仮称)」です。
当日配布された資料や会議では、現実的な数字や具体的な実例が提案、検討されました。特に、コミュニティシネマ会議へ参加されたパネリストの方々の意見、コミュニティシネマ支援センターの報告書や書籍化された地方上映のデータ、また「全国フィルム・コミッション連絡協議会」発行の詳細なNEWS LETTERなどは特に勉強になりました。
その他に、映画館だけでなく、閉鎖された銀行や地方の空き店舗や各種会場を利用した、映画上映の実情と将来性なども大変興味深い内容です。
ところで、2日目に貴重な映像が多数上映されました。これらは東京国立近代美術館フィルムセンターが所有しているとのことですが、個人的に驚いたのはそのほとんどが1930年代の作品であった事です。その中で2002年に9.5mm版が発見されフィルムセンター初のデジタル復元作品となった「斬人斬馬剣/1929年松竹キネマ京都/26分)」には心底驚きました。なぜかというと、この年代にすでに現在の日本の時代劇と同等のレベルの作品に仕上がっていたからです。カットや構図、照明に脚本。日本映画の底力を思い知らされた瞬間でした。
今後も全国コミュニティシネマ会議は開催され、より多くの情報とネットワークで良質な作品をあなたのまちで上映できるように模索していく予定とのこと。映画関係者、まちづくり、地域活性に関わる各種団体、企業の方々、是非、一度チェックしてみてはいかがですか?
最後にひとこと。
シネコンもいいと思います。DVDのレンタルもいいでしょう。でも、もう一度思い出してください。映画を選び、劇場へ向かう小さなストーリーが、どれほどあなたの休日を豊かにしたのか。是非、お近くの映画館へ足を運んでみてください。それがきっと地域貢献の1つのキッカケになるかもしれません。
<関連情報>
■コミュニティシネマ支援センター
http://www.jc3.jp/
■財団法人国際文化交流推進協会
http://www.acejapan.or.jp/film/
■東京国立近代美術館フィルムセンター
http://www.momat.go.jp/fc.html
■全国フィルム・コミッション連絡協議会
http://www.film-com.jp/
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